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銚子の怪談『もうれんやっさ』(亡霊ヤッサ)

お盆の季節に海に入ると霊に足を引っ張られ、溺れてしまう・・・なんて言う話が言い伝えられている。多分だが、昔は夏になったら海で過ごす人も多かったのだろう、その分、海の脅威である波の力によって、溺れた人も多かったのだろう。それで、こういった類の話が全国的にあるのだろう。

さて、今回は海にちなんだ、銚子の怪談をご紹介しよう。『もうれいやっさ』(亡霊ヤッサ)という、いわゆる幽霊船のお話である。ちなみに、このお話は銚子に限らず、九十九里地方や、ほかの県でも言い伝えられているといわれていますが、私は銚子の波の高さを考えると、この話は、銚子の怪談であると筆者は勝手に思っていたりする。

実際に『もうれんやっさ』の朗読(銚子弁バージョン)を聞いてみよう!
https://www.youtube.com/watch?v=2geOCWc1KMM
(7月21日【銚子スポーツTV】より抜粋。朗読は銚子の劇団Team Switchさん)

さて、上記のリンクで、実際のお話を聞いていただきたいが、一応この記事でも銚子の怪談としての『もうれんやっさ』について書いてみよう。

現在でいうところの、銚子市川口町という漁師町は、利根川の河口に面した場所があるが、この河口が江戸時代の頃は狭くて、干潮時と満潮時の潮の流れが急な為、船の出入りがたいへん困難なところで、日本の三大難所の一つに数えられていた。そのため、多くの船員が溺死したといわれている。実際に史実によると、慶長19年(1614年)10月25日銚子沖に突風が起こり、鹿島灘に出漁中の漁船が風波によって遭難。結果、溺死者が千人以上と言われるほどの大惨事となった。(これを慰霊するためにできたのが、銚子市川口町にある千人塚である。)

そんな事もあって、昔の銚子の海には霊がいるのか?河口から沖の方へ漁船を出すと、海特有の靄(もや)がかかり、その靄の奥から、船がやってきて、その船から不気味な声で『もうれんやっさ』という声が聞こえてくるというのだ。その船はだんだん近づき、当然不気味な声もだんだん大きく聞こえてくるという。そして、漁船に最接近すると、急に化け物が現れて『ひしゃく貸せ!』というのだ。パニックって、その化け物にひしゃく貸してしまったら最期!大きな波にその人間は持って行かれ、二度と陸に戻ることができないというお話だ。

海の怖さと、心霊話が合わさった、幽霊船のお話は、日本全国、波の荒い海の街を探せば、結構見つかるらしい。筆者が個人的に思うことは、霊がいようがいまいが、海を甘く見るなということであろうか。低気圧の影響を受けた海は本当に危険である。場所によっては、低気圧の影響なくても危険な海が存在する。万全を期して、海を楽しんでいただきたいものである。
団体 イベント 銚子
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