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千葉市の海辺で話題!『月刊埋立地』ブックレビュー

  2021/5/13
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以下は 3 年前に書かれた内容です


『月刊埋立地』とはなんぞや?

最近、巷で噂の『月刊埋立地』という雑誌をご存知でしょうか?
この本は、千葉市を中心に活動している市民団体「ちば文化センター」が、千葉の市制100周年を記念して制作した本なのですが、昭和レトロな表紙のインパクトとユニークな内容で、千葉市の海浜地域界隈を中心に話題を集めています。

そもそも、市制100周年を記念して、市民が自発的に書籍コードを収得した本を作ってしまうこと自体が珍しいと思いますが、千葉市の埋立地に特化した内容の本という点でも、極めて希少価値の高い本だと思いますので、本記事ではその概要をお伝えしたいと思います。

全ての章からほとばしる! 執筆者たちの熱きパトス

『月刊埋立地』の執筆陣は、その全員が千葉市の埋立地が故郷であったり、勤務地もしくは居住地とのことで、各自記事への思い入れが凄まじく、行間から著者の郷土愛が溢れ出てくるのを感じるくらいです。
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まず冒頭章の『埋立地1979』は、埋立地育ちの筆者が幼少期を振り返ったエッセイですが、造成当時の埋立地の雰囲気を、郷愁感漂う文体で表現しています。
千葉の埋立地育ちの人ならば、脳裏に子供時代の情景が鮮明に蘇ってくることでしょう。
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次は特集記事の『匿名未来都市チバ 〜あったかもしれないチバの、あったかもしれない物語〜』。

内容は、千葉の街が歩んできた歴史の中で、もしも、史実と違う選択をしていたら、どのような街になっていたのだろう?という視点で描いたユーモア溢れる小説です。
作中に登場する架空の都市チバ・シティにおいては、60年代の後半に市民が大規模な埋め立てを放棄するところから物語が始まります。
その結果、沿岸部の工場地帯が内陸部に拡大・侵食して、市街地と工場地帯が一体化してしまいました。
そんなサイバーパンクな都市となったチバ・シティで繰り広げられる様々な物語。
作中には、史実では実現しなかった都市計画が完成したエピソードも登場し、史実と虚実の境界線が揺らいでいくような不思議な物語となっています。
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『海浜ニュータウンの現在と未来』は、現地で街づくりのNPO活動を長年実施している著者の、貴重な調査・研究をもとにした小論です。

そもそも、海浜ニュータウンの正式な場所はどこからどこまでなのか?といった素朴な疑問から、開発の経緯、住宅の形式、人口構成といった海浜ニュータウンの概要が分かる内容となっています。
また、歯止めのかからない人口減少といった喫緊の課題や、それに対する効果的な対応策までが示されており、まさに千葉の埋立地救済の書ともいえる内容です。
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『工場萌え前夜』は、工場夜景の美しさや魅力を世間に知らしめた写真集『工場萌え』が出版される少し前。
まさにブレイク前夜の時期に、『工場萌え』の制作者達とも交流のある工場散歩人・八巻慎太郎氏が参加した工場鑑賞ツアーの思い出を綴ったエッセイです。
初期の工場夜景マニア達の、熱い息吹を感じることができます。

また、八巻氏は、現在千葉みなとから出ている工場夜景クルーズ船の航路開発アドバイザーを務めた人物で、千葉の工場マニアのパイオニアとも言える人物です。
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『海と本屋と埋立地』は、あの有名な雑貨書店「ヴィレッジヴァンガード」を千葉県で初めて出店した武田光司氏の寄稿によるものです。

埋め立て前の幕張で少年時代を過ごした著者が、遠浅の海があった頃の思い出を語り、成人後は、本屋の店長として、埋立地の成長を見届けてきた様子が綴られています。
とある書店員の目から見た、千葉の埋立地の歴史を知ることができます。
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『埋立地で選ぶ、20年後に生き残るマンションについて』では、昨今開発著しい埋立地のマンションについて、マンション管理の専門家としての見地からランキングするという内容です。

前半では、マンションが建てられてから終りを迎えるまでの概要を説明し、現在のマンションという住宅システムが抱える諸問題の紹介をしています。
それらを踏まえた上で、千葉の埋立地で「生き残る」マンションとは一体どんなものなのか!?
(本号では、紙面の都合上、千葉市中央区のみが対象地域となっています)
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『千葉みなとのご当地キャラ・誕生ものがたり』では、表紙にも描かれているキャラクターの「チバミナコちゃん」をはじめとする、著者オリジナルの千葉みなとご当地キャラクターの誕生秘話や詳細設定などを大公開しています。

千葉みなとに住まう著者の深すぎる地域愛から生まれてきたキャラクター達は、細かいパーツの一つ一つにまで地域にまつわる物語がパンパンに詰め込まれています。
キャラ好きな中年男性が生み出した執念のクリエイティビティを堪能できます。
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これらの他にも、様々な視点によるエッセイや俳句、漫画等、よくぞここまで千葉の埋立地にこだわってコンテンツを集めたなぁと、感心半分、呆れ半分になるくらいに埋立地120%の内容となっています。

これは新しい郷土愛の表現方法なのか?

冒頭でもご紹介したとおり、この本は市民が自発的に市制100周年を祝って出版した本ですが、人口減少をはじめとする埋立地の諸問題に対して、それぞれの得意分野や専門性をいかしつつ、全体的としてはユーモラスな雰囲気を漂わせながら、自由闊達に論じています。

一般的な行政が発行する記念誌とは違い、そこを生活の拠点としている市民達のプライベートな息遣いを感じる事のできる大変ユニークな千葉市100周年記念誌といえるでしょう。
■販売店(順不同)
ニューラジスタ
アースマーケット
平凡
Raver's Cafe
パントリーコヨーテ
cafe okano
安房暮しの研究所
Moonlight Bookstore
じゃくう鳥
千葉ポートタワー(1階エレベーター前受付)
千葉県立美術館(ミュージアムショップ)
千葉市美術館(ミュージアムショップ)

■ネット販売
汀書房(「汀書房」で検索)
市民団体ちば文化センター直販(地域メディア「ちばみなとjp」内、通販ページ)
以上は 3 年前に書かれた内容です
ちばみなとjpチャンネル
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ちばみなとjp(ちばみなとジェイピー)は、千葉みなとから住人目線で嬉しいネタを発信している千葉市情報メディアです! ご当地キャラの『チバ...
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