安房と上総の境はどこ
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2021/6/23
以下は 3 年前に書かれた内容です
県内に新型車両E131系が走り始めて3カ月がたちました。木更津―上総一ノ宮間、所要時間3時間以上の内房、外房線との直通運転も始まり、房総の鉄道輸送体系にも大きな変化が生じました。内房線安房勝山駅では安房鴨川方面に向かう上総一ノ宮行きを見ることができます。同駅からは千葉方面に向かう上総湊行きもあるので、少し紛らわしいですね。
3月に誕生した木更津から上総一ノ宮に向かう列車は、上総国を出て安房国に入り再び上総国に戻ってきます。つまり上総と安房の国境を2度越えます。では上総と安房の境はどこなのでしょうか。上総国にある内房線の木更津から南下しながら説明します。
1度目の境は鋸山です。内房線は直下をトンネルで通過します。名物の「地獄のぞき」付近には富津市と鋸南町の境界線が通っています。「地獄のぞき」近くの展望台からは、浜金谷港や浜金谷駅など金谷の町並みが一望できます。鋸山にはロープウエーなどもあり手軽に山頂まで登れます。鋸山で切り出された房州石を山から下ろした道、車力道を使った登山道も整備されており、ハイキングに最適です。
そのため鋸山の北、富津市にあるのが上総湊駅。鋸山の南、鋸南町にあるのは安房勝山駅となっています。
2度目の境はおせんころがしです。勝浦市から鴨川市にまたがる約4キロの崖の通称で、内房線から外房線に入った後にあります。市境は安房小湊駅を出た後のトンネル内で越えます。市境のトンネルを抜けると行川アイランド、上総興津、鵜原、勝浦と駅は続きます。上総興津駅がある興津や、かつて行川アイランドがあった浜行川などは勝浦市の地名なので、勝浦市は上総国であることがわかります。
勝浦からは上総一ノ宮まで上総国を北上します。E131系の営業運転区間は上総一ノ宮まで。長旅もここで終わりです。内房、外房直通列車により、上総一ノ宮や君津などでの乗り換えの手間はありますが、房総半島における鉄道での新たな周遊スタイルが確立されました。これを機に沿線自治体は魅力的な取り組みを発信してほしいですね。
以上は 3 年前に書かれた内容です