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第7回鉄道技術展

  2021/12/31
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以下は 2 年前に書かれた内容です

鉄道分野の技術が一堂に会した総合見本市「第7回鉄道技術展」(主催:産経新聞社、オーガナイザー:シー・エヌ・ティ)が2021年11月24日(水曜日)から3日間、幕張メッセ5~8ホールで開催された。実用化に向けて開発中の技術を中心にレポートしよう。

日本シール

鉄道車両やバスのシートモケットなどを手掛ける。国鉄103系などのオリジナル(濃厚なブルー)、東京メトロ02系などのシートモケットもここで製造された。

ブースでは開発中というロングシートのシートヒーターを展示。坐らせていただくと、急速暖房で身体がぽっかぽかだ。

通勤車両の暖房機は座席下に設置され、足元を暖めている。しかし、半自動ドアボタンのない車両、乗降用ドアの一部を閉める機能がない車両については、駅での長時間停車中、車内に寒風が襲い、暖房効果がない状況となってしまう。

ロングシートのシートヒーターが実用化すれば、暖房効果の維持及び向上が期待される。

日本信号

鉄道や道路の信号、鉄道の自動運転や踏切の安全性向上など、“縁の下の力持ち”的な企業で、交通のインフラを支えている。また、下記の開発実用化に取り組んでいる。

①顔認証改札機
顔認証改札機が実用化すれば交通系ICカードにタッチせずとも自動改札機の通り抜けができるほか、顔情報管理によるテロ事件などの抑止につながるという。

まず、マスクを着用したまま、私の顔を撮影。顔の色々なパーツを瞬時に記憶するため、マスクを外した状態でも通行可能だという。許可を得て、マスクなしの“素顔”で顔認証改札を通ると、IPカメラが検知し、何事もなく通行できた。ただし、顔を整形すると、再度認証し直す必要があるという。

②画像解析ホームシステム
こちらも開発中の画像解析ホームシステムは、既設のカメラに処理BOXを追加することで、「転落検知」「列車近接検知」「ホーム端の歩行検知」が可能となり、安全性の向上につなげてゆく。

例えば、ホームの黄色い線(点字ブロック)や白線の外側を歩いている人を感知したら、「ホームの内側を歩いてください」という注意喚起の自動放送を流す。ホームドアの設置が難しい無人駅などに導入できそうだ。

近畿車輛

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快適な車内空間を提案。
新幹線から路面電車まで幅広く手掛ける車両メーカー。現在、開発を進めている車載式の自動スロープ装置を取り上げよう。

現状、車両とホームのあいだの段差が大きい駅、隙間が広い駅は、駅員の介助がないと乗車できない。また、無人駅や駅員不在の時間帯がある駅などは、車椅子での利用が困難である。ワンマン運転時になると、乗務員(運転士)の負担も大きくなり、ダイヤ通りの運行が困難といった課題がある。

それを解消すべく、車内のフリースペースに収納式のスロープを設けることで、駅停車中に車両とホームを自動操作で架け渡し、様々な段差や隙間に対応するもの。実現すると、駅員や乗務員の負担軽減、改造による設置も可能なことから汎用性も高い。

近畿車輛によると、試作の段階ながら15秒でセットできるという。1分以内で車椅子利用客の乗降ができるだろう。実用化すると、駅の改良工事も省けることが考えられるので、バリアフリーに関するコスト削減にもつながる。

総合車両製作所

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「NEW sustina BASIC」のフルフラット構体(試作品)が展示された。
総合車両製作所も車両メーカーで、2013年よりステンレス車体「sustina(サスティナ)」というブランドを世に送り出す。JR東日本では、E235系やE131系などに採り入れられた。

sustinaの登場から5年以上たち、さらなる価格低減を図るべく、「NEW sustina BASIC」の開発に取り組んでいる。これまでに開発した共通プラットフォームの活用、基本設計部分の拡大、安全にかかわる部分の標準装備をすることで、「Simple is Best」を追求した。

現在のところ、sustinaは一般車両を中心に普及しているが、将来は特急形車両に波及することを期待したい。

メトロ車両

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東京メトロの車内は抗菌、抗ウイルスを施している。
東京メトロの関連企業。東京メトロ車両のリニューアル工事を行なうほか、日比谷線先代車両の03系が北陸鉄道、長野電鉄の移籍が決まると、改造工事に取り組んだ。なお、熊本電気鉄道に移籍した03系は別企業の手で改造工事が行なわれた。

このほか、鉄道事業者向けの製品を開発し、販売されている。

①アルミ車体用の洗浄剤「ハイパークリーン」
アルミ車体は軽量化や長寿命に優れた半面、無塗装車体は新製時の光沢が長く続かない、汚れが目立ちやすいデメリットがある。中性洗剤で洗車しても汚れが落ちにくいのだ。

それを解消するのはアルミ車体用の洗浄剤だ。これを使って洗車することで、無塗装車体に付着した汚れを洗い落とす。

②抗菌、抗ウイルスの噴霧剤
新型コロナウイルスの影響で、抗菌、抗ウイルス用の噴霧剤が急速に普及した。メトロ車両も急きょ抗菌、抗ウイルス用の噴霧剤を開発し、東京メトロの車両に噴霧した。持続性の観点から15日周期で清掃とコーティングを行ない、万全を期している。

参加359社・団体、764小間のなかから一部を紹介した。鉄道技術展は、祭典とビジネスチャンスの場である。開発中の技術が実用化し、利用客の日常をよりよくさせることを切に願う。
以上は 2 年前に書かれた内容です
岸田法眼の鉄道チャンネル
岸田法眼の鉄道チャンネル
『Yahoo! セカンドライフ』(ヤフー刊)の選抜サポーターに抜擢され、2007年にライターデビュー。以降はフリーのレイルウェイ・ライターとして鉄...
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