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ひらおかの里 農村公園に上総掘り足場やぐらが12年ぶりに復活! 袖ケ浦市

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  2022/4/5
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以下は 2 年前に書かれた内容です

2006年、国の重要無形民俗文化財に指定された千葉県上総地域発祥の深井戸掘り工法「上総掘りの技術」。
その技術保持者である鶴岡正幸先生(三代目井戸掘り職人)のもと、技術保持団体に指定された「上総掘り技術伝承研究会」(事務局・袖ケ浦市郷土博物館)。
重機も燃料も使わず少人数で効率よく掘れるシンプルでエコな技術は、今も世界各地で水を得るため活用されています。

袖ケ浦市永地の「ひらおかの里 農村公園」は、地域の子供たち、地域住民や都市住民が農業を体験し、農村の歴史・景観と出会う場を提供しています。
その一画には、市内を流れる小櫃川(おびつがわ)流域で発展した上総掘り(鶴岡方式)の足場やぐらが展示されていたのですが、2010年3月の大風で倒れてしまい、撤去したきり看板だけ残して更地となっていました。
ここで12年ぶりに、足場やぐらが復活することになり、2022年3月に入ってから上総掘り技術伝承研究会メンバー有志が週末ごとに作業を続けてきました。

展示用の足場やぐらを3回に分けて組み上げました!

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あとはヒゴグルマを取り付ければ完成する段階の上総掘り・鶴岡方式の足場やぐら

1週目と2週目で主柱や前柱、上横丸太や下横丸太など丸太系、そして2本のハネギ、足場板などを取り付けるところまでを完了。
3週目はヒゴグルマを組んで、上横丸太の上に乗せれば完成!という仕上げ作業を行いました。
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シャフトに貫板を通した状態のヒゴグルマ

12本の貫板と横桟、踏み板、鉄のシャフトで構成されるヒゴグルマは、かなりの重さで大人の男性7~8人もいれば、楽に持ち上げることができるのですが…この日はメンバーの都合が合わず、男性4人でチャレンジ。
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いったん筋交いの交差している部分にシャフトを乗せて、さらにその上の上横丸太を目指す

ロープを使って引っ張りあげるか?それとも上横丸太までシャフトを上げてから、貫板を1本ずつ差し込んでいくか?
いろいろ迷いましたが…とりあえず力で持ち上げました!
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ようやく上横丸太にシャフトが乗せることができた

乗った!乗ったよ、ヒゴグルマ!シャフトごと、貫板12枚は重かったよ!
少しずつねじりながら「せーの」で息を合わせ、持ち上げることができました。

貫板を広げて十二角形のヒゴグルマを成型!

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6本ずつまとめておいた貫板をバラして横桟を取り付けていく

そして横桟を12本、貫板にはめ込んで五寸釘で固定していきます。
内側同士から止めていくので、最後の外側同士はものすごいたわみですが、これによって強度を増すわけです。
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横桟に踏み板を取り付けていく

さらに横桟と横桟の間に、踏み板を木ネジで固定していきます。
ここに人が乗ってヒゴグルマを回すので、頑丈に!
12枚のうち、対角線上の2枚を残しておいて、最後に調整するのがミソ。
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踏み板は最後に対角線上の2枚を残しておき、長さを調整しながら取り付ける

やっぱりヒゴグルマあっての足場やぐら

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足場板の上の主柱に、ホリテッカンとスイコを立てて固定する

最後にヒゴグルマにぐるっと縄をかけて、ホリテッカンとスイコを主柱に立てて固定したら、ついに完成!
12年の時を経て、ついに鶴岡方式の足場やぐらが復活しました!
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完成した上総掘り・鶴岡方式の足場やぐら

この場所では掘削はせず、あくまで展示用ですが、県道143号線に面していて、わりと車通りが多いので、ものすごく目立つんです。
普段、会で活動している袖ケ浦市郷土博物館の「水のふるさと」は、池に面していて豊かな自然に抱かれた素晴らしい環境なのですが、残念ながら市民の皆さんがウオーキングや散策をする歩道からかなり低い位置にあり、人目につかないのがもったいないところ。
完成後、ふと県道に目を向ければ、行き過ぎる車に乗っている方と目が合うほど注目を浴びているのを感じました。
地域の皆さんにも、袖ケ浦を訪れる方々にも、千葉で生まれた上総掘りの技術を知ってほしい。
その入口、きっかけになってくれれば、花冷えの休日に頑張ったかいがあったというもの。

農村公園は入場無料、午前8時30分から午後5時まで、月曜休園。
といっても、ありがたいことに県道から丸見え!なので、ぜひ実物を見てみてくださいね。
以上は 2 年前に書かれた内容です
上総掘りチャンネル
上総掘りチャンネル
袖ケ浦市郷土博物館に拠点を置き、国指定の重要無形民俗文化財に指定された「上総掘りの技術」の技術保持団体である「上総掘り技術伝承研究会」と...
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