上総掘り足場模型、完成&譲渡完了! 15年越しの念願かなう 袖ケ浦市
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2021/5/14 更新
以下は 3 年前に書かれた内容です
2006年、国の重要無形民俗文化財に指定された千葉県上総地域発祥の深井戸掘り工法「上総掘りの技術」。
その技術保持者である鶴岡正幸先生(三代目井戸掘り職人)のもと、技術保持団体に指定された「上総掘り技術伝承研究会」(事務局・袖ケ浦市郷土博物館)。
重機も燃料も使わず少人数で効率よく掘れるシンプルでエコな技術は、今も世界各地で水を得るため活用されています。
その技術を守るため、ボランティアが昔ながらの掘削技術を学ぶ活動の様子をご紹介します☆彡
その技術保持者である鶴岡正幸先生(三代目井戸掘り職人)のもと、技術保持団体に指定された「上総掘り技術伝承研究会」(事務局・袖ケ浦市郷土博物館)。
重機も燃料も使わず少人数で効率よく掘れるシンプルでエコな技術は、今も世界各地で水を得るため活用されています。
その技術を守るため、ボランティアが昔ながらの掘削技術を学ぶ活動の様子をご紹介します☆彡
上総掘り足場の1/10サイズの模型を手作り
コロナ禍につき、活動お休みが続く上総掘り技術伝承研究会。
高齢あるいは県境をまたいで参加する会員が多いことから、感染拡大を避けて活動を見合わせること1年あまり。
兼ねてから完成後のもらい手探しが続いていた、会員手作りの上総掘り足場模型譲渡式が、袖ケ浦市郷土博物館にてつつましく行われました。
高齢あるいは県境をまたいで参加する会員が多いことから、感染拡大を避けて活動を見合わせること1年あまり。
兼ねてから完成後のもらい手探しが続いていた、会員手作りの上総掘り足場模型譲渡式が、袖ケ浦市郷土博物館にてつつましく行われました。
思い起こせば、作り始めたのは実に15年前、2006年の春。
会の発足とほぼ同時期に、会長である鶴岡先生が展示用にいくつも自作していた足場の1/10サイズ模型を、会員それぞれが制作することで、足場の構造に対する理解を深め、掘削技術の向上に努めよう!と始まったのですが…。
会の活動のメインは実際の井戸の掘削活動で、ひとつ現場が始まってしまうと、どうしても模型制作はおあずけに。
現場がない時期や雨天・荒天時、細々と作業を続け、ようやく完成にこぎつけていたのですが、1/10とはいえ60cm×60cm×60cmというサイズは日本の一般的な家屋に置いて飾っておくには結構な大きさです。
制作した本人も「いやちょっとうちに置くには…」とためらい、また運搬するにも、普通乗用車の座席をフルフラットにしても入りきらず、ワゴン車やワンボックスカー必須なのです。
会の発足とほぼ同時期に、会長である鶴岡先生が展示用にいくつも自作していた足場の1/10サイズ模型を、会員それぞれが制作することで、足場の構造に対する理解を深め、掘削技術の向上に努めよう!と始まったのですが…。
会の活動のメインは実際の井戸の掘削活動で、ひとつ現場が始まってしまうと、どうしても模型制作はおあずけに。
現場がない時期や雨天・荒天時、細々と作業を続け、ようやく完成にこぎつけていたのですが、1/10とはいえ60cm×60cm×60cmというサイズは日本の一般的な家屋に置いて飾っておくには結構な大きさです。
制作した本人も「いやちょっとうちに置くには…」とためらい、また運搬するにも、普通乗用車の座席をフルフラットにしても入りきらず、ワゴン車やワンボックスカー必須なのです。
そこへ登場したのが、16年前に開催された「上総掘りサミット」当時から、当会とご縁があった鴨川市のSさん(写真左)。
ご自宅で郷土史研究家として、さまざまな民俗資料を収集されています。
久留里城址資料館学芸員のFさんの仲介で、このたび、会員Yさん作の模型がSさん宅へお嫁入りすることが決まりました。
ご自宅で郷土史研究家として、さまざまな民俗資料を収集されています。
久留里城址資料館学芸員のFさんの仲介で、このたび、会員Yさん作の模型がSさん宅へお嫁入りすることが決まりました。
上総掘りの足場やぐらは、地域や職人ごとに様式が異なり、当会で学んでいる鶴岡方式のものは袖ケ浦市を流れる小櫃川流域で生まれた、足場丸太の本数もわずか17本でより効率的・安全に深井戸が掘れる形状です。
基本的に掘り鉄管などを除いて、すべて土に返るエコな素材だけで構成され、荒縄のみで簡単に少人数で組んだり解体したりできるのが、昔ながらの上総掘り足場やぐらです。
もちろん資材や労力が限られている途上国の現場などでは、現地で入手できる簡易な足場と道具を使って、井戸掘りに成功している団体もたくさんありますが、そこでも上総掘りの技術や原理が生かされています。
当会ではこれからも、伝統的な上総掘りの技術を未来に残す橋渡しとなるべく、身の丈で伝承活動を続けていきたいと考えています。
基本的に掘り鉄管などを除いて、すべて土に返るエコな素材だけで構成され、荒縄のみで簡単に少人数で組んだり解体したりできるのが、昔ながらの上総掘り足場やぐらです。
もちろん資材や労力が限られている途上国の現場などでは、現地で入手できる簡易な足場と道具を使って、井戸掘りに成功している団体もたくさんありますが、そこでも上総掘りの技術や原理が生かされています。
当会ではこれからも、伝統的な上総掘りの技術を未来に残す橋渡しとなるべく、身の丈で伝承活動を続けていきたいと考えています。
以上は 3 年前に書かれた内容です