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8日ぶりの京成ツアーは、他社線に遠征!!-北総車両大集合! 北総・印旛車両基地見学ツアー-

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  2021/7/28
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京成トラベルサービスは、京成電鉄、北総鉄道の後援で、2021年7月25日(日曜日)に「北総車両大集合! 北総・印旛車両基地見学ツアー」を開催した。北総鉄道は京成電鉄と相互直通運転を行なうほか、京成グループの企業でもある。

万全盤石の感染防止対策を行ない、参加者らは約3時間30分のミニトリップを楽しんだ。

旅立ちの舞台は八広

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2代目3100形、2か月ぶりのツアー列車登板。
今回のツアーは京成電鉄押上線八広から始まる。駅舎付近の高架下で受付が行なわれ、夏の猛烈な暑さをしのぐ。応募数759人の中から大人131人、子供34人、計171人が当選(倍率4.4倍)した。しかし、この日は大人2人がキャンセルしたため、169人が参加した。

八広駅は荒川橋梁付近にあり、1番線は上り列車専用、3番線は下り列車専用に対し、2番線は上下列車とも発着できる。定期列車は各駅停車しか停車しないので、通過列車に道を譲る場合、下り列車は3番線、上り列車は2番線でそれぞれ待避する。すなわち2番線は、下り列車の通過、上り列車の待避、上下列車とも折り返し運転に対応した変則構造なのだ。

9時59分、2番線に2代目3100形のツアー列車が入線し、各車両2番ドアのみ開く。これに伴い、下り各駅停車の一部は3番線からの発車に変更された。

京成高砂から先は、どの路線に乗っているのでしょうか?

各駅停車京成高砂行きが10時03分に発車してから2分後の10時05分、定刻通りに発車。荒川橋梁を渡り、四ツ木を通過すると、地平へ下りる。進行方向左側は仮線が建設され、四ツ木―青砥間の地平部分を高架化する工事が進められている。完成すると、押上線の踏切は押上(スカイツリー前)―京成曳舟間1か所のみになる。

本線に合流し、青砥と京成高砂で運転停車(客扱いを行なわない停車のこと)。すると、ホームでは、多くのレールファンが2代目3100形に熱いまなざしを注ぐ。4編成32両在籍という希少車両ゆえ、思う存分に撮りたいのだろう。

京成高砂を発車すると、印旛日本医大方面への高架を登り、左へ曲がってゆく。京成高砂―印旛日本医大間は、北総鉄道北総線と京成電鉄成田空港線が共用している。普段、2代目3100形はアクセス特急に運用されるため、成田空港線を走行している。では、今回のツアーはどうなのか?

京成電鉄広報に確認したところ、北総線を走行しているという。その根拠は京成高砂で、乗務員が京成電鉄から北総鉄道に交代したこと。先述の共用区間は、京成電鉄が〈スカイライナー〉とアクセス特急、北総鉄道がそれ以外の列車に乗務している。

今回のツアーは、“北総鉄道の乗務員が2代目3100形に乗務する”という、レアなケースとなった。運転最高速度は120km/hだが、今回のツアーは各駅停車の追い抜きをしない平行運転のため、100 km/hである。

北総鉄道と新京成電鉄

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北総線の車窓から。
「ただいまこの列車は、大町駅を通過しております。これから先、進行方向左側に、京成グループの鉄道会社、新京成電鉄の、くぬぎ山車両基地が見えてまいります。どうぞ、御覧ください」

京成トラベルサービスの添乗員が車内放送を流すと、進行方向左側に新京成電鉄のくぬぎ山車両基地が見えた。P-KAN も相まって、8800形のホワイトとジェントルピンクがより明るく映える。また、新鋭の80000形、去就が注目される8000形も留置されていた。やがて進行方向右側から新京成電鉄の高架と合流し、新鎌ヶ谷まで並走する。

北総鉄道は北総開発鉄道時代の1979年3月9日(金曜日)の開業時より、新京成電鉄松戸―北初富間との相互直通運転が行なわれていた。当時、新鎌ヶ谷駅が存在しておらず、都心へのルートは新京成電鉄と国鉄(現・JR東日本)常磐線の乗り継ぎが一般的だった。

しかし、松戸を経由する遠回りで、なおかつラッシュ時の常磐線快速が“激混み”という状況だった。のちに103系(おもに上野―取手間運転)がラッシュ時を中心に15両運転化され、輸送力増強と混雑緩和の両立を図る。

1991年3月31日(日曜日)、京成高砂―新鎌ヶ谷間の延伸開業により、京成電鉄などとの相互直通運転を実施。都心への新しいルートが形成され、利便性が大幅に向上した。

1992年7月8日(水曜日)、新京成電鉄新鎌ヶ谷駅が開業。これに伴い、北総開発鉄道と新京成電鉄との相互直通運転を打ち切った。現在はどちらも線路がつながっていない。

印旛車両基地に到着

印西牧の原を発車し、印旛車両基地に向かう。
新鎌ヶ谷を通過してしばらくすると、両サイドに国道464号線が姿を現す。北総線をまたぐ道路はすべて立体交差化されている。

小室を通過すると、線路脇に設置されたソーラーパネルが延々続き、広大な空間を有効に活用している。いつしか各駅停車印旛日本医大行きに接近するせいか、ノロノロ運転となり、千葉ニュータウン中央を通過。かつて国鉄が成田新幹線を計画した際、唯一の中間駅がこの地に建設される予定だった。

10時42分、印西牧の原3番線に到着(運転停車)。隣の2番線には、東京都交通局5500形の回送が停車中だ。調べたところ、隣の印旛日本医大10時35分発の各駅停車印西牧の原行きだった。この駅ではある意味、レアな並びとなり、待ち構えていたレールファンがシャッターを切っていた。

5500形が先に発車し、2代目3100形は10時48分に続く。北総線上り線と国道464号線小室方面をまたいだあと、地平の印旛車両基地に上陸。7分かけてゆっくり走り、10時55分、印旛車両基地の線路の果て、S2番線に到着した。あえてホームと書かせていただくと、8両分の有効長を確保しており、参加者らが労せず乗降できる。

向かいのS1番線は5500形が留置され、デジタル方向幕は「アクセス特急堀ノ内」を表示。北総鉄道のイキなはからいながら、東京都交通局は本気でアクセス特急の運用を望んでいる。都営浅草線5300形(大半の車両が最高速度110km/h)引退後のダイヤ改正で、“大願成就なるか”に注目してみよう。

密を防ぐ行程

今回のツアーは印旛車両基地内の密(密集、密接)を避けるべく、参加者乗車車両の1・2号車は1班、3・4号車は2班、5・6号車は3班、7号車は4班に分け、15分ごとに4か所まわる行程をとる。内訳は展示車両撮影がA~Cエリアの3か所、京成グループ各社の物販コーナー1か所である。万一に備えて、2代目3100形は正午より開放。行程の途中で離脱し、車内で休憩できるよう配慮されている。

一方、メディアは8号車の関係者用車両に乗り、こちらも2つの班に分けて取材する。

展示車両は、北総鉄道所属車2車種を両端、千葉ニュータウン鉄道所属車3車種を中央に配した。後者は車両の管理及び運用を前者に委託していることから、「北総車両の一員」と位置づけられている。詳細は後述の解説①を御参照いただきたい。

それでは展示車両を左から順に御紹介しよう。

7300形

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北総鉄道の“顔”といえる7300形。
京成高砂―新鎌ヶ谷間の延伸開業に伴い、1991年に登場。京成電鉄3700形と同一設計ながら、エクステリアとインテリアのデザインが異なる。のちに先頭車の車体側面のみ、航空機を模したアクセントデザインが描かれた。

また、3700形2編成をリースした7800形も存在する。

9800形

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9800形は“新顔”ながら、ベテランの車両。
2017年3月に3700形1編成をリースし、9800形として営業運転に就いた。車両のカラーリングについて、北総鉄道所属車はブルーとスカイブルーの組み合わせに対し、千葉ニュータウン鉄道所属車はスカイブルーとレモンイエローを組み合わせている。

9200形

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9200形の投入により、京成グループの標準軌鉄道に「京成グループ標準車両」が配置された。
2013年2月に登場。京成電鉄2代目3000形8次車(3026・3027編成)と同一設計した車両である。当初からデジタル方向幕はフルカラーLED、乗降用ドア上の旅客情報案内装置はLCDが取りつけられていた。

ヘッドライトは当初シールドビームだったが、現在はLEDに取り換えられている。のちに北総鉄道所属車も含め、方向幕及びデジタル方向幕のフルカラーLED化、ヘッドライトのLED化が進められた。

9100形C…Flyer

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9100形C…Flyerは、“大谷世代”の鉄道車両。
千葉ニュータウン中央―印西牧の原間の延伸開業に伴い、1994年に登場。エクステリアはオナガという鳥をイメージした。車体のカラーリングはスカイブルーとレモンイエローの組み合わせとなり、9200形、9800形にも受け継がれた。

エクステリアで目を引くのは、一部の乗降用ドアをスカイブルーとイエローに塗装したこと。前者はフリースペース、後者はクロスシートの乗車口を示す。

車内は先頭車を除き、セミクロスシート。クロスシートはボックスシートと一方向固定式の2種類を用意。また、中間車1両は電話室(テレホンカード式公衆電話)を設置した。首都圏の通勤形電車では5本の指に入るほどの“意欲作”といえよう。

車両愛称「C…Flyer」のCは、「Chiba-Newtown(千葉ニュータウン)」、「Comfortable(快適な)」、「Clean(清潔な)」、「Culture(文化)」の頭文字、Flyerは快速列車、急行列車を意味する。

7500形

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7300形以来の自社発注車となった7500形。
2006年に登場。2005年に登場した新京成電鉄N800形と同様、当時の京成グループ標準車両だった2代目3000形をベースとした。

現役の北総グループ車両で、オリジナル設計の車両が9100形C…Flyerのみ。ほかは京成電鉄からのリース、もしくはベースなので、乗客、乗務員、裏方といった、すべての人が“使いやすい、わかりやすい”を重視している。

復路は車内ビンゴ大会

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新世代車両同士の並び(右は5500形)。
印旛車両基地の見学を終え、ツアー列車は12時37分に発車。途中、通路線上で7分停車したのち、運転再開。12時50分、印西牧の原2番線で運転停車すると、隣の4番線ではタイミングよく、〈スカイライナー41号〉成田空港行きが通過した。しかも、東京オリンピックのラッピング車両で、今回のツアーに華を添える恰好となった。

北総線内では車内ビンゴ大会が行なわれ、添乗員が数字を30回読み上げる。ビンゴカードは25マスなので、これだけ言えば、ビンゴ率も高そうだ。

運転停車の京成高砂で乗務員を京成電鉄に交代。13時18分に発車すると、次の青砥まで複々線の外側をのんびり走る。ほどなく、内側を走る各駅停車京成上野行きに追い抜かれてしまう。まさかの“番狂わせ”だが、通過の青砥で追い抜く。

13時25分、八広2番線に戻る。駅舎付近では、参加者にノベルティーとしてオリジナルエコバッグを配布、車内ビンゴの当選者に3600形リバイバルカラーのキーホルダーがプレゼントされた。

解説①千葉ニュータウン鉄道の前身は住宅・都市整備公団

先述の繰り返しとなるが、北総鉄道は、北総開発鉄道時代の1979年3月9日(金曜日)に北初富―小室間が開業した。

小室から先は住宅・都市整備公団(現・都市基盤整備公団)が千葉県営鉄道から鉄道敷設免許を譲受したうえで建設することになり、1984年3月19日(月曜日)に小室―千葉ニュータウン中央間が開業した。その際、北総開発鉄道、新京成電鉄との相互直通運転が行なわれている。

住宅・都市整備公団は2000系(1994年夏、9000形に改称)という車両を用意したが、列車の運行、車両の整備などは北総開発鉄道に委託した。さらに国鉄分割民営化の影響で、地方鉄道法の廃止及び、鉄道事業法が施行された。これを機に双方は“鉄道のあり方”を見直すことになり、下記の通りに落ち着いた。

〇北総開発鉄道は、北初富―小室間を第1種鉄道事業者(自社が鉄道線路を敷設し、運送を行なうとともに、線路容量に余裕がある場合に限り、第2種鉄道事業者に使用させることができる)、小室―千葉ニュータウン中央間を第2種鉄道事業者(第1種もしくは、第3種の鉄道事業者が敷設した線路を使用して運送を行なう)として、運送の一元化を図る。

〇住宅・都市整備公団は、小室―千葉ニュータウン中央間を第3種鉄道事業者(鉄道線路敷設後、第1種鉄道事業者に譲渡、もしくは第2種鉄道事業者に使用させる事業で、自社は運送を行なわない)とする。

上記は1988年4月1日(金曜日)に施行され、北初富―小室―千葉ニュータウン中央間は、「北総・公団線」という通称で案内することになった。さらに北初富以西は、北総開発鉄道が引き続き第1種鉄道事業者として建設を進めてゆく。

一方、住宅・都市整備公団も、千葉ニュータウン中央―印旛日本医大間を引き続き第3種鉄道事業者として延伸工事を行ない、北総開発鉄道が第2種鉄道事業者として、運送の役目を担う。

時代が21世紀に突入した2004年、都市整備基盤公団が独立行政法人化して、鉄道事業から撤退することになった。これ伴い、京成電鉄100%出資の子会社、千葉ニュータウン鉄道が3月16日(火曜日)に設立され、193億円で買い取ることになった。

7月1日(木曜日)、小室―印旛日本医大間の第3種鉄道事業者と保有車両を引き継ぐ。併せて、北総開発鉄道の社名を現在の北総鉄道に変更、正式な路線名も北総線に統一した。

解説②成田空港線

2010年7月17日(土曜日)に開業した成田空港線は、京成高砂―印旛日本医大―成田空港間を結ぶ“特殊な路線”と言える。

北総線と重複する京成高砂―印旛日本医大間は、第2種鉄道事業者として運送する。運賃は北総線に合わせており、特段の混乱は起きていない。ちなみに、2021年8月発売の「京成線ワンデーパス」(大人2000円、子供1000円)では、成田湯川、空港第2ビル、成田空港のみ乗り降りできる。

印旛日本医大―成田湯川―成田空港高速鉄道接続点間の10.8キロは成田高速鉄道アクセス、成田空港高速鉄道接続点―成田空港間の8.4キロは成田空港高速鉄道が第3種鉄道事業者として建設し、京成電鉄が第2種鉄道事業者として運送する。

すなわち、成田空港線は、京成電鉄が運送する路線ながら、線路は4つの鉄道事業者が保有している。

【取材協力:京成電鉄、京成トラベルサービス、北総鉄道】
〇訂正
13段落目の「解説②成田空港線」で記述に誤りがありましたので、訂正いたします。大変失礼しました。

(誤)ちなみに、2021年8月発売の「京成線ワンデーパス」(大人2000円、子供1000円)では、アクセス特急停車駅(東松戸、新鎌ヶ谷、千葉ニュータウン中央、印旛日本医大)のみ乗り降りできる。

(正)ちなみに、2021年8月発売の「京成線ワンデーパス」(大人2000円、子供1000円)では、成田湯川、空港第2ビル、成田空港のみ乗り降りできる。
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『Yahoo! セカンドライフ』(ヤフー刊)の選抜サポーターに抜擢され、2007年にライターデビュー。以降、フリーのレイルウェイ・ライターとして、...
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