5カ月ぶり!上総掘り足場やぐら、にぎわう 真夏の荒縄&番線かけかえレッスン 袖ケ浦市
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2020/8/14 更新
以下は 4 年前に書かれた内容です
2006年、国の重要無形民俗文化財に指定された千葉県上総地域発祥の深井戸掘り工法「上総掘りの技術」。 その技術保持者である鶴岡正幸先生(三代目井戸掘り職人)のもと、技術保持団体に指定された「上総掘り技術伝承研究会」(事務局・袖ケ浦市郷土博物館)。重機も燃料も使わず少人数で効率よく掘れるシンプルでエコな技術は、今も世界各地で水を得るため活用されています。 その技術を守るため、ボランティアが昔ながらの掘削技術を学ぶ活動の様子をご紹介します☆彡
今日は掘らずに、足場整備に専念!
袖ケ浦市郷土博物館の屋外展示、上池に面した「水のふるさと」に、上総掘り足場やぐらはたたずんでおります。
いつもなら、6月上旬開催の博物館のお祭り「ミュージアム・フェスティバル」での一般を対象とした掘削体験のために、5月下旬に足場やぐらの荒縄を交換していたのですが…。
いつもなら、6月上旬開催の博物館のお祭り「ミュージアム・フェスティバル」での一般を対象とした掘削体験のために、5月下旬に足場やぐらの荒縄を交換していたのですが…。
新型コロナウイルス感染拡大につき、今年はフェスティバル開催も中止となりました。
荒縄は消耗品なので、風雨にさらされ、1年もするとかなり傷んでしまいます。
また、荒縄の内側にかけてある番線(太い針金)も傷みが目立つため、思い切って両方ともリニューアルすることにしました。
酷暑の午後!ではあるのですが、ここは水辺で緑も多いため、市街地に比べるとちょっと気温も低いので、水分補給と休憩をこまめに取りながら、久々の活動に汗を流しました。
荒縄は消耗品なので、風雨にさらされ、1年もするとかなり傷んでしまいます。
また、荒縄の内側にかけてある番線(太い針金)も傷みが目立つため、思い切って両方ともリニューアルすることにしました。
酷暑の午後!ではあるのですが、ここは水辺で緑も多いため、市街地に比べるとちょっと気温も低いので、水分補給と休憩をこまめに取りながら、久々の活動に汗を流しました。
はじめての番線プレイ♥
これは掘削時に人が長時間乗る足場板を支える下横丸太と主柱を結束している部分。
古い番線もまだしっかりしていたので、そのまま上から新しい番線をかけ、Wでがっちり固定しました。
古い番線もまだしっかりしていたので、そのまま上から新しい番線をかけ、Wでがっちり固定しました。
ここ1~2年で入会したメンバーは、生まれて初めての番線レッスン。
慣れているメンバーからレクチャーを受け、見よう見まねでチャレンジします。
「シノ」という道具を使い、テコの原理でゆるみを作っては締めていく。
ねじりすぎると、あっけなくちぎれてしまうので要注意です。
慣れているメンバーからレクチャーを受け、見よう見まねでチャレンジします。
「シノ」という道具を使い、テコの原理でゆるみを作っては締めていく。
ねじりすぎると、あっけなくちぎれてしまうので要注意です。
今回、番線は一般的な「2本取り」で使いましたが、実は上総掘りの足場やぐらは、半日で組み立てて数週間で掘削し、すぐに解体して次の現場へと運ぶため、本来は番線など使わず、荒縄だけで組まれています。
ここ袖ケ浦市郷土博物館の屋外展示として、一般の方や子どもたちも足場板の上に上がることもあり、また我々もボランティアの身であるため、安全策として番線の上に昔ながらの荒縄をあしらっているというわけ。
ここ袖ケ浦市郷土博物館の屋外展示として、一般の方や子どもたちも足場板の上に上がることもあり、また我々もボランティアの身であるため、安全策として番線の上に昔ながらの荒縄をあしらっているというわけ。
荒縄は引っ張ればほどけるように、しっかり固定するというパラドックス
というわけで、番線の上から荒縄を巻いていきます。
巻き始めも巻き終わりも、ねじってとめるだけ。
この荒縄あしらい、髪を結うという作業に子どもの頃から精通している女子の方が、あきらかに男子より覚えるのが早いです。
巻き始めも巻き終わりも、ねじってとめるだけ。
この荒縄あしらい、髪を結うという作業に子どもの頃から精通している女子の方が、あきらかに男子より覚えるのが早いです。
柱と横丸太を結束する「垂直」と、柱・横丸太と筋交いを結束する「斜め」があるのですが、どちらかと言うと垂直の方が難しい。
縄はなるべく重ならないよう、丸太との接触面積が少しでも広く、効率的に支えられるように巻いていきます。
縄はなるべく重ならないよう、丸太との接触面積が少しでも広く、効率的に支えられるように巻いていきます。
斜めに巻いていくのは簡単なのですが、これは外側の筋交いを内側の柱にたわめて(カーブさせて)結束している部分なので、かなり間が広く空いています。
しかし、そのたわみが、足場やぐらの強度を保つ重要なポイントなのです。
昨年秋の台風15号、19号、房総豪雨でも倒れなかった足場やぐらには、先人の知恵がぱんぱんに詰まっています。
しかし、そのたわみが、足場やぐらの強度を保つ重要なポイントなのです。
昨年秋の台風15号、19号、房総豪雨でも倒れなかった足場やぐらには、先人の知恵がぱんぱんに詰まっています。
NEWポンプの試運転も♪
念願だった既存井戸(機械掘り)のポンプが、ついにリニューアル!
試運転をすると、冷たくて気持ちいい地下水が…感動の瞬間。
これがあるとないとで、ネバミズを作るのにも道具を洗うのにも、作業効率は格段に上がるのです。
試運転をすると、冷たくて気持ちいい地下水が…感動の瞬間。
これがあるとないとで、ネバミズを作るのにも道具を洗うのにも、作業効率は格段に上がるのです。
そして今回も、出た!「Sさんメモ」!
毎回、活動に参加するたびに上総掘りの技術について克明にイラスト入りで記録しているSさん。
このまま図鑑として印刷できるのでは?というクオリティに、頭が下がります。
国の重要無形民俗文化財を次世代に伝承していく我々の活動は、「記録魔」が支えていると言っても過言ではありません。
これからもメモり続けて下さいね。
毎回、活動に参加するたびに上総掘りの技術について克明にイラスト入りで記録しているSさん。
このまま図鑑として印刷できるのでは?というクオリティに、頭が下がります。
国の重要無形民俗文化財を次世代に伝承していく我々の活動は、「記録魔」が支えていると言っても過言ではありません。
これからもメモり続けて下さいね。
次回の週末はお盆につき活動をお休みします。
その翌週からは、これまでに撮影された上総掘り関連の動画をリスト化し、今後、道具製作などの様子を撮影するために必要な課題についてメンバー有志でチェックしていく予定。
暑さにもコロナにも負けるな、上総掘り技術伝承研究会!
その翌週からは、これまでに撮影された上総掘り関連の動画をリスト化し、今後、道具製作などの様子を撮影するために必要な課題についてメンバー有志でチェックしていく予定。
暑さにもコロナにも負けるな、上総掘り技術伝承研究会!
以上は 4 年前に書かれた内容です