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京成電鉄2代目3200形-人と環境にやさしいフレキシブルな車両-
2025/1/29
京成電鉄(以下、京成。社名の英文字は「KEISEI ELECTRIC RAILWAY」)は、2024年7月に2代目3200形が登場し、2025年2月22日(土曜日)の開幕を予定している。“新しい京成スタイル”の電車として、沿線に新風を吹かせることだろう。
17年ぶりの「3200形」
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京成電鉄2代目3200形主要諸元。
京成は広範囲にわたり相互直通運転が行なわれることから、通勤形電車の車型(車系)については4ケタに統一し、車両番号の千の位を「3」にしている。参考までに、京浜急行電鉄(以下、京急)は「1」(左記に該当しない3代目600形が存在する)、東京都交通局は「5」、北総鉄道は「7」、千葉ニュータウン鉄道(北総線小室―印旛日本医大間の第3種鉄道事業者。備考①用語解説を参照)は「9」をあてている。
このため、京成オリジナルデザインの通勤形電車は1958年以降、初代3000形、初代3050形、初代3100形、3150形、初代3200形、3300形、3500形、3600形、3700形、3400形と続く。21世紀に入ると、“打者一巡”の如く、2代目の3000形、3050形(元アクセス特急用車両で「3000形7次車」という扱い。媒体によって、「3050形」もしくは「3050番台」と称している)、3100形と続いた。
有料の特急形電車も初代AE形(AEの意味は「Airport Express」)、AE100形、2代目AE形の順に続く。第3世代車両を再び「AE形」としたのは、成田空港線という新ルートの開業により、京成における成田空港輸送の原点に回帰する意味合いを込めたからだ。
今回の3200形は初代が1964年に登場し、2007年11月14日(水曜日)付の廃車をもって引退。17年後の2024年7月に2代目が登場した。初代を踏襲した部分、京成にとって革新的部分もあるので、御紹介しよう。
このため、京成オリジナルデザインの通勤形電車は1958年以降、初代3000形、初代3050形、初代3100形、3150形、初代3200形、3300形、3500形、3600形、3700形、3400形と続く。21世紀に入ると、“打者一巡”の如く、2代目の3000形、3050形(元アクセス特急用車両で「3000形7次車」という扱い。媒体によって、「3050形」もしくは「3050番台」と称している)、3100形と続いた。
有料の特急形電車も初代AE形(AEの意味は「Airport Express」)、AE100形、2代目AE形の順に続く。第3世代車両を再び「AE形」としたのは、成田空港線という新ルートの開業により、京成における成田空港輸送の原点に回帰する意味合いを込めたからだ。
今回の3200形は初代が1964年に登場し、2007年11月14日(水曜日)付の廃車をもって引退。17年後の2024年7月に2代目が登場した。初代を踏襲した部分、京成にとって革新的部分もあるので、御紹介しよう。
これからの時代に向けた車両
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京成電鉄2代目3200形、報道公開時の編成表。
2010年代に入ると、訪日外国人の利用客が増加し、京成は〈スカイライナー〉を増発した。アクセス特急も好調で、2代目3100形(アクセス特急用車両)の特長であるロングシート2人分を折り畳んで使う荷物置き場も稼働率が高い。
しかし、2020年代に入ると、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響でリモートワークが増え、ラッシュ時の混雑率が下がったこと(備考②京成の混雑率参照)、少子高齢化による人口減少もあり、輸送需要が課題となった。
流動的な輸送需要に対応するため、「人と環境にやさしいフレキシブルな車両」として、編成中の両数(4・6・8両)を容易に組み換えができる2代目3200形を開発し、導入することになった。
しかし、2020年代に入ると、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響でリモートワークが増え、ラッシュ時の混雑率が下がったこと(備考②京成の混雑率参照)、少子高齢化による人口減少もあり、輸送需要が課題となった。
流動的な輸送需要に対応するため、「人と環境にやさしいフレキシブルな車両」として、編成中の両数(4・6・8両)を容易に組み換えができる2代目3200形を開発し、導入することになった。
京成の新型通勤形電車では3600形以来の左右対称
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原点回帰と新機軸が融合した2代目3200形。
1991年に登場した3700形以降、通勤形電車は運転台を広くすることで、運転席からの視界を拡大するため、左右非対称としていた。乗務環境が向上する半面、非常事態が発生した場合、仮に別の編成に併結すると、車内の通り抜けができない難点がある。
2代目3200形は3600形(1982年登場)以来の左右対称にした。中央に非常用貫通扉を配置し、幌をつなげることで、通り抜けができる。鉄道本部の角博信車両部長によると、2021年に小田急電鉄と京王電鉄で相次いで発生した刺傷及び放火事件を鑑みて決めたという。
「世の中的な時代背景を考慮したのを設計に反映したという考えですね」
非常用貫通扉の位置を変えるだけでも、安全性の向上につながると見ていい。
私は4両+4両の8両編成にした場合、例えば「特急成田空港・芝山千代田行き」といった、途中駅で分割併合する列車の可能性についてもきいてみた。
「今のダイヤの関係ではないですけども、将来的にはできるような機能をもたしているカタチになります」
ただ、実現するには地上設備の改良も必要になるというので、増備後もしばらくはない模様だ。
前面デザインは2代目3100形をベースにしており、前部標識灯(前照灯)は上部、後部標識灯(尾灯)と急行灯はフロントガラスの下に配した。ブラックフェイス、京成通勤形電車の伝統色である京成ブルーと京成レッドは弧を描いたデザインとしており、優しい雰囲気を醸し出す。
車体はステンレスで、2代目3000形から続く日車式ブロック工法を踏襲。日本車輌製造が開発したステンレス車体のブランドである。京成はこのときから日本車輌製造と東急車輛製造(現・総合車両製作所)に発注しており、2代目3200形も同じ流れとなる。
側面は京成ブルーを上部、京成レッドを側窓の下に配したほか、将来のワンマン運転に備え、運転士がホームの安全確認や監視を行なうため、車載カメラ設置に向けた準備工事を施している。
このほか、各車両に車外スピーカーを設けている。
2代目3200形は3600形(1982年登場)以来の左右対称にした。中央に非常用貫通扉を配置し、幌をつなげることで、通り抜けができる。鉄道本部の角博信車両部長によると、2021年に小田急電鉄と京王電鉄で相次いで発生した刺傷及び放火事件を鑑みて決めたという。
「世の中的な時代背景を考慮したのを設計に反映したという考えですね」
非常用貫通扉の位置を変えるだけでも、安全性の向上につながると見ていい。
私は4両+4両の8両編成にした場合、例えば「特急成田空港・芝山千代田行き」といった、途中駅で分割併合する列車の可能性についてもきいてみた。
「今のダイヤの関係ではないですけども、将来的にはできるような機能をもたしているカタチになります」
ただ、実現するには地上設備の改良も必要になるというので、増備後もしばらくはない模様だ。
前面デザインは2代目3100形をベースにしており、前部標識灯(前照灯)は上部、後部標識灯(尾灯)と急行灯はフロントガラスの下に配した。ブラックフェイス、京成通勤形電車の伝統色である京成ブルーと京成レッドは弧を描いたデザインとしており、優しい雰囲気を醸し出す。
車体はステンレスで、2代目3000形から続く日車式ブロック工法を踏襲。日本車輌製造が開発したステンレス車体のブランドである。京成はこのときから日本車輌製造と東急車輛製造(現・総合車両製作所)に発注しており、2代目3200形も同じ流れとなる。
側面は京成ブルーを上部、京成レッドを側窓の下に配したほか、将来のワンマン運転に備え、運転士がホームの安全確認や監視を行なうため、車載カメラ設置に向けた準備工事を施している。
このほか、各車両に車外スピーカーを設けている。
初代3200形を踏襲した部分も
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2代目3000形以降、通勤形電車標準のモノリンク式ボルスタつき台車。
2代目の3000形、3050形、3100形、AE形と大きく異なるのは、車両番号のつけ方だ。
これまで固定編成のため、「編成番号-1~8(2代目3000形の6両車は4・5を欠番)」としていたが、2代目3200形は初代3200形と同じ連番を踏襲した。参考までに初代3200形の登場時は4両1編成なので、1編成目は3201~3204、2編成目は3205~3208と続く。このやり方は3500形まで続いた。
鉄道本部車両計画課の渡邊哲也課長補佐によると、2代目3200形は増解結を前提とした車両なので、6・8両の場合、ハイフンをつけると、「同じハイフンの号車が違う箇所(かしょ)に現れてしまって、お客様の利便性を損ねてしまう、誤案内につながってしまう」からだという。
運転台のモニター装置には車両番号が表示されており、6・8両の場合、“相棒”がひと目でわかるようにしている。2代目3200形は下り方からMc2+M1+M2+Mc1の4両を基本に、Mc2+M1、M2+Mc1を切り離すことで別編成の増結用に充てる。また、Mc2+M1+M2+Mc1を2編成つなげた8両運転も可能である(Mは電動車、Tは付随車、cは運転台つきの車両)。
なお、角車両部長によると、ホーム上の設備の関係で2両運転(Mc2+Mc1)はないという。
初代3200形を踏襲した部分はもうひとつあり、オール電動車ながら、Mc2とM2の上り方は主電動機を搭載しない付随台車にしたこと。1両に電動台車と付随台車の両方を搭載した車両を「0.5M0.5T」という。これが2両連結されているので、初代、2代目とも「実力3M1T」なのだ。
ちなみに、初代3200形は増備途中で先頭車のみ電動台車と付随台車に分けており、踏切事故などが発生した際のダメージの軽減、製造費や保守費の低減を図る半面、モーターの定格出力を増強することで性能維持に努めた。また、“昭和の実力3M1T”も3500形まで続いた。
これまで固定編成のため、「編成番号-1~8(2代目3000形の6両車は4・5を欠番)」としていたが、2代目3200形は初代3200形と同じ連番を踏襲した。参考までに初代3200形の登場時は4両1編成なので、1編成目は3201~3204、2編成目は3205~3208と続く。このやり方は3500形まで続いた。
鉄道本部車両計画課の渡邊哲也課長補佐によると、2代目3200形は増解結を前提とした車両なので、6・8両の場合、ハイフンをつけると、「同じハイフンの号車が違う箇所(かしょ)に現れてしまって、お客様の利便性を損ねてしまう、誤案内につながってしまう」からだという。
運転台のモニター装置には車両番号が表示されており、6・8両の場合、“相棒”がひと目でわかるようにしている。2代目3200形は下り方からMc2+M1+M2+Mc1の4両を基本に、Mc2+M1、M2+Mc1を切り離すことで別編成の増結用に充てる。また、Mc2+M1+M2+Mc1を2編成つなげた8両運転も可能である(Mは電動車、Tは付随車、cは運転台つきの車両)。
なお、角車両部長によると、ホーム上の設備の関係で2両運転(Mc2+Mc1)はないという。
初代3200形を踏襲した部分はもうひとつあり、オール電動車ながら、Mc2とM2の上り方は主電動機を搭載しない付随台車にしたこと。1両に電動台車と付随台車の両方を搭載した車両を「0.5M0.5T」という。これが2両連結されているので、初代、2代目とも「実力3M1T」なのだ。
ちなみに、初代3200形は増備途中で先頭車のみ電動台車と付随台車に分けており、踏切事故などが発生した際のダメージの軽減、製造費や保守費の低減を図る半面、モーターの定格出力を増強することで性能維持に努めた。また、“昭和の実力3M1T”も3500形まで続いた。
連結器
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密着連結器と電気連結器の組み合わせは、JRグループの車両でよく見られる。
京成車両の先頭車前面は今まで密着式自動連結器を標準としていたが、3200形は密着連結器を採用した。その下には電気連結器を装備した。別の編成に連結すると、自動的に電気系統の接続が完了するものだ。
密着連結器と電気連結器は中間車M1車の上り方、M2車の下り方にも装備され、増解結作業が容易にできる。ほかは従来通りの棒連結器である。
なお、中間車に密着連結器と電気連結器が装備されるのは、JR四国6000系(1996年登場)以来となる(先頭車の中間車化改造車を除く)。6000系の連結器はすべて密着連結器と電気連結器なので、ある意味、“唯一無二の車両”と言える。
密着連結器と電気連結器は中間車M1車の上り方、M2車の下り方にも装備され、増解結作業が容易にできる。ほかは従来通りの棒連結器である。
なお、中間車に密着連結器と電気連結器が装備されるのは、JR四国6000系(1996年登場)以来となる(先頭車の中間車化改造車を除く)。6000系の連結器はすべて密着連結器と電気連結器なので、ある意味、“唯一無二の車両”と言える。
ホームからの転落事故防止策
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0.5両分の隙間。
ホームからの転落事故防止策の一環として、車端部に外幌が設置されている。しかし、先頭車の前面には設置されていない。6・8両の場合、先頭車が中間に組み込まれると、0.5両分、もしくは1両分が空いてしまう。京成はモニター装置を経由し、警笛から「車両連結部です。御注意ください」という注意喚起の放送を流す。
デジタル方向幕
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側面を大型化することで、見やすく、わかりやすく表示。
デジタル方向幕は今や鉄道車両の標準であるフルカラーLEDを採用。前面は列車種別と行先、側面は列車種別、行先、駅ナンバリング、次の停車駅を日本語と英語で表示する。駅ナンバリングの表示が側面のみは“Osaka Metro方式”と言ってよく、京成は2例目。2代目3100形で標準を確立したようである。
特に側面はダイヤ乱れなどで列車種別や行先が変更になる場合に備え、その案内も入れることで、よりわかりやすく表示するほか、速度が70km/h以上で消灯し、65km/h以下で点灯する。
試しに撮影したところ、シャッター速度640までは鮮明に写る。ただ、シャッター速度800にすると、撮影位置によって鮮明、不鮮明に分かれる。シャッター速度1000以上は不鮮明である。
参考までに、自社線内の途中駅で列車種別が変わる列車がある。例えば成田空港17時07分発の「快速京成高砂行き」は、終点で「始発の各駅停車西馬込行き」に変わる。常連客、京成ホームページを使いこなせる人、『京成時刻表』(京成が発行し、JTBパブリッシングが編集と販売を兼ねる)を持っている人でないと、わかりにくい。次のダイヤ改正で、「区間快速(押上から各駅停車)西馬込行き」といった、わかりやすい案内に変わることを期待したい。
特に側面はダイヤ乱れなどで列車種別や行先が変更になる場合に備え、その案内も入れることで、よりわかりやすく表示するほか、速度が70km/h以上で消灯し、65km/h以下で点灯する。
試しに撮影したところ、シャッター速度640までは鮮明に写る。ただ、シャッター速度800にすると、撮影位置によって鮮明、不鮮明に分かれる。シャッター速度1000以上は不鮮明である。
参考までに、自社線内の途中駅で列車種別が変わる列車がある。例えば成田空港17時07分発の「快速京成高砂行き」は、終点で「始発の各駅停車西馬込行き」に変わる。常連客、京成ホームページを使いこなせる人、『京成時刻表』(京成が発行し、JTBパブリッシングが編集と販売を兼ねる)を持っている人でないと、わかりにくい。次のダイヤ改正で、「区間快速(押上から各駅停車)西馬込行き」といった、わかりやすい案内に変わることを期待したい。
VVVFインバータ制御
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シングルアーム式パンタグラフ。
今や電車の標準装備といえるのが2つあり、1つ目はシングルアーム式パンタグラフ。全国的に旧形のひし形や下枠交差式の車両を見る機会が減った。
2つ目はVVVFインバータ制御。2代目3100形と同じハイブリッドSiC素子適用2レベル方式電圧型PWM(パルス幅変調型)インバータを採用。2024年7月に登場後、地上側の機器の相性、誘導障害の確認などに時間をかけ、万全の状態で乗客を迎える。
灯具のオールLED化も相まって、抵抗制御の3500形に比べ、電力消費量を約69パーセント削減。輸送需要に見合った効率的な走行エネルギーにすることで、環境負荷の低減に努める。
2つ目はVVVFインバータ制御。2代目3100形と同じハイブリッドSiC素子適用2レベル方式電圧型PWM(パルス幅変調型)インバータを採用。2024年7月に登場後、地上側の機器の相性、誘導障害の確認などに時間をかけ、万全の状態で乗客を迎える。
灯具のオールLED化も相まって、抵抗制御の3500形に比べ、電力消費量を約69パーセント削減。輸送需要に見合った効率的な走行エネルギーにすることで、環境負荷の低減に努める。
インテリア
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2代目3200形の車内。
インテリアはアクセス特急用の2代目3100形をベースにしつつ、おもに本線(京成上野―成田空港間)で運行するので、仕様が異なる。
通勤形電車なので、座席はすべてロングシート。着席区分が明確なバケットタイプで、着座幅は460ミリ。2代目3100形とは異なり、背もたれはハイバックではなく、一般的な高さに戻した。シートモケットも一般席は青、優先席は赤の“本線仕様”ながら、いずれも2代目3100形と同様に、ソメイヨシノとなのはなをモチーフとしたイラストを添えており、華やかさを醸し出す。袖仕切りも車椅子スペース付近を除き、高くしており、立客との干渉を防いでいる。
吊り手は握りやすい関東地方標準の三角形で、一般席はグレー、優先席はオレンジに色分け。併せて優先席部分のみ高さを下げており、小柄な方が握りやすいように配慮している。
床についても、一般席は青、優先席は茶色で、いずれも通路を示す粒模様を添えている。これにより、着席客の足を置く位置と通路を明確化している。また、乗降用ドア付近は黄色としており、どの位置にあるかがわかりやすくしている。
通勤形電車なので、座席はすべてロングシート。着席区分が明確なバケットタイプで、着座幅は460ミリ。2代目3100形とは異なり、背もたれはハイバックではなく、一般的な高さに戻した。シートモケットも一般席は青、優先席は赤の“本線仕様”ながら、いずれも2代目3100形と同様に、ソメイヨシノとなのはなをモチーフとしたイラストを添えており、華やかさを醸し出す。袖仕切りも車椅子スペース付近を除き、高くしており、立客との干渉を防いでいる。
吊り手は握りやすい関東地方標準の三角形で、一般席はグレー、優先席はオレンジに色分け。併せて優先席部分のみ高さを下げており、小柄な方が握りやすいように配慮している。
床についても、一般席は青、優先席は茶色で、いずれも通路を示す粒模様を添えている。これにより、着席客の足を置く位置と通路を明確化している。また、乗降用ドア付近は黄色としており、どの位置にあるかがわかりやすくしている。
車椅子スペースとフリースペースの違い
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車椅子スペースとフリースペース。
先頭車の一般席部分に車椅子スペース、中間車の優先席部分にフリースペースを設けた。いずれも車椅子、ベビーカーとも利用できるほか、パネルヒーターも設けている。異なるのは、車椅子スペースには車椅子用具箱、フリースペースには腰あてのクッションパネルをそれぞれ設置したことだ。
空気浄化装置は、2代目3100形で実績があるシャープのプラズマクラスターイオン発生装置を1両につき4台設置した。常に快適な環境を乗客に提供する。
旅客情報案内装置は17インチワイド2画面式のLCDで、左側は広告等、右側は次駅案内などを4か国語(日本語、英語、中国語、韓国語)で表示する。ちなみに京成の駅ナンバリングは関東地方標準のハイフンつきで、例えば京成上野は「KS-01」である。その下には乗降用ドアの開閉を示すドアランプを設けた。
乗降用ドアは戸袋側に黄色のテープを貼付。東京メトロの車両と同様、戸袋に手が引き込まれないよう注意喚起を行なう。
妻面の貫通扉はガラス張り。視認のため、ソメイヨシノや京成パンダのイラストを添えている。側窓は一段下降式と固定窓で、いずれも熱線吸収ガラスを採用。併せてカーテンも設けている。
非常通話装置は2代目3100形と同様、ボタンを押すことで乗務員に異常を知らせることができ、なおかつ、通話もできる。さらに2代目3200形では、非常通話装置に連動して、防犯カメラ(1両につき3台設置)の映像を運転台の上に設置されたモニターで表示するので、乗務員は迅速な対応がとれる。
空気浄化装置は、2代目3100形で実績があるシャープのプラズマクラスターイオン発生装置を1両につき4台設置した。常に快適な環境を乗客に提供する。
旅客情報案内装置は17インチワイド2画面式のLCDで、左側は広告等、右側は次駅案内などを4か国語(日本語、英語、中国語、韓国語)で表示する。ちなみに京成の駅ナンバリングは関東地方標準のハイフンつきで、例えば京成上野は「KS-01」である。その下には乗降用ドアの開閉を示すドアランプを設けた。
乗降用ドアは戸袋側に黄色のテープを貼付。東京メトロの車両と同様、戸袋に手が引き込まれないよう注意喚起を行なう。
妻面の貫通扉はガラス張り。視認のため、ソメイヨシノや京成パンダのイラストを添えている。側窓は一段下降式と固定窓で、いずれも熱線吸収ガラスを採用。併せてカーテンも設けている。
非常通話装置は2代目3100形と同様、ボタンを押すことで乗務員に異常を知らせることができ、なおかつ、通話もできる。さらに2代目3200形では、非常通話装置に連動して、防犯カメラ(1両につき3台設置)の映像を運転台の上に設置されたモニターで表示するので、乗務員は迅速な対応がとれる。
やむなき理由で伝統の“展望席”を廃止
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クッションパネルのモケットは一般席用を表す。
今までの京成通勤形電車は乗務員室寄りにロングシートを設置し、展望席に充てていた。しかし、2代目3200形は搭載機器の増加により、乗務員室のスペースを拡大する必要が生じたため、ロングシートの設置ができなくなった。併せて戸袋窓も廃止した。代わりにクッションパネルを設け、立客が快適に過ごせるようにしている。先頭車の進行方向右側だと、“立ち見”ながら前面展望ができる。
また、乗務員室と客室の仕切りドアも中央から、やや右に寄せた。貫通型先頭車にしたことで、乗務員室のレイアウトを見直し、極力スペースの確保に努めたのだろう。運転台のレイアウトの関係で、先頭車同士もしくは、中間車と先頭車を通り抜ける際、若干のカーブが存在するものの、非常事態が発生した際は避難経路という重責を担う。
また、乗務員室と客室の仕切りドアも中央から、やや右に寄せた。貫通型先頭車にしたことで、乗務員室のレイアウトを見直し、極力スペースの確保に努めたのだろう。運転台のレイアウトの関係で、先頭車同士もしくは、中間車と先頭車を通り抜ける際、若干のカーブが存在するものの、非常事態が発生した際は避難経路という重責を担う。
運転台
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コンパクトにまとめた運転台。
運転台は通勤形電車では標準の両手操作式ワンハンドルマスコンで、計器類は従来車と同じ指針式のメーターを踏襲。運転台の右側にモニター装置を設け、各機器の動作状態と故障情報を表示。停車駅の予報機能、行先や列車種別の設定、運行番号の設定機能があり、マルチディスプレイのような役割を持つ。
頭上にもモニターがあり、先述した防犯カメラの映像が流れる。
このほか、業務用のコンセントを設けている。
頭上にもモニターがあり、先述した防犯カメラの映像が流れる。
このほか、業務用のコンセントを設けている。
3500形を順次置き換え
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3500形は2013年4月1日(月曜日)から4両が芝山鉄道にリースされている。
2代目3200形は2025年2月22日(土曜日)の開幕を予定しており、まずは現役最古参の3500形(1972年登場)を順次置き換える予定。その後に登場した3600形、3400形も廃車が進んでおり、去就が注目される。
また、増備が進めば、都営浅草線、京急線などの直通も予定している。都営浅草線の列車はすべて8両編成なので、4両+4両もしくは、2両+4両+2両の組み合わせで乗り入れるだろう。
また、増備が進めば、都営浅草線、京急線などの直通も予定している。都営浅草線の列車はすべて8両編成なので、4両+4両もしくは、2両+4両+2両の組み合わせで乗り入れるだろう。
松戸線にも投入予定
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新京成電鉄は4車種が在籍。
新京成電鉄(以下、新京成)は2025年4月1日(火曜日)付で京成電鉄に合併され、「松戸線」として再出発する。合併後は3200形を増備して、旧型の車両を置き換える予定だという。
なお、新京成にはオリジナルデザインの8800形と8900形、「京成グループ標準車両」として、京成2代目3000形ベースのN800形、京成2代目3100形とは仕様が異なる80000形が存在する。新京成に確認したところ、合併後も車系(車型)の改称はなく、そのまま運行するという。
ちなみに京成で「3000番台」以外の通勤形電車が配属されるのは、1988年12月2日(金曜日)から1992年1月16日(木曜日)まで在籍した1000形(元京急初代1000形8両が廃車後、京急工業からリース)以来、33年ぶりである。
なお、新京成にはオリジナルデザインの8800形と8900形、「京成グループ標準車両」として、京成2代目3000形ベースのN800形、京成2代目3100形とは仕様が異なる80000形が存在する。新京成に確認したところ、合併後も車系(車型)の改称はなく、そのまま運行するという。
ちなみに京成で「3000番台」以外の通勤形電車が配属されるのは、1988年12月2日(金曜日)から1992年1月16日(木曜日)まで在籍した1000形(元京急初代1000形8両が廃車後、京急工業からリース)以来、33年ぶりである。
備考①用語解説
①第1種鉄道事業者
自社が鉄道線路を敷設し、運送を行なうとともに、線路容量に余裕がある場合に限り、第2種鉄道事業者に使用させることができる。
②第2種鉄道事業者
第1種もしくは、第3種の鉄道事業者が敷設した線路を使用して運送を行なう。
③第3種鉄道事業者
鉄道線路敷設後、第1種鉄道事業者に譲渡、もしくは第2種鉄道事業者に使用させる事業で、自社は運送を行なわない。
自社が鉄道線路を敷設し、運送を行なうとともに、線路容量に余裕がある場合に限り、第2種鉄道事業者に使用させることができる。
②第2種鉄道事業者
第1種もしくは、第3種の鉄道事業者が敷設した線路を使用して運送を行なう。
③第3種鉄道事業者
鉄道線路敷設後、第1種鉄道事業者に譲渡、もしくは第2種鉄道事業者に使用させる事業で、自社は運送を行なわない。
備考②京成の混雑率
①本線大神宮下―京成船橋間の2019年度は127パーセント、2024年度は104パーセント。
②押上線京成曳舟―押上間の2019年度は148パーセント、2024年度は149パーセント。
【取材協力:京成電鉄、新京成電鉄】
②押上線京成曳舟―押上間の2019年度は148パーセント、2024年度は149パーセント。
【取材協力:京成電鉄、新京成電鉄】
岸田法眼の鉄道チャンネル
『Yahoo! セカンドライフ』(ヤフー刊)の選抜サポーターに抜擢され、2007年にライターデビュー。以降はフリーのレイルウェイ・ライターとして鉄...
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